株式会社シンクロ・フード(本社/東京都渋谷区、代表取締役/大久保俊)は、飲食店経営者・運営者を対象に、感染症・食中毒への危機感と衛生・体調管理の実態に関する調査を実施した。調査の結果、約7割の飲食店が食中毒リスクに危機感を抱いている一方で、人手不足が深刻化しており、従業員1人の欠勤でも営業継続が困難になる店舗が少なくない実態が明らかになった。調査は2026年4月27日から5月7日にかけて実施され、「飲食店ドットコム」会員の飲食店経営者・運営者290人が回答した。回答者の64.5%が1店舗運営事業者で、53.1%が東京都所在の店舗だった。食中毒への危機感は約7割梅雨から夏場にかけての食中毒リスクについて、「非常に強く感じている」が23.8%、「やや感じている」が43.8%となり、合計67.6%が危機感を持っていると回答した。一方で、麻疹(はしか)など感染症への危機感については、「非常に強く感じている」が10.7%、「やや感じている」が34.8%で、合計45.5%にとどまった。食中毒に比べると感染症への警戒感は低い傾向が見られた。人員不足が常態化店舗の人員体制については、「ギリギリ回せているが余裕はない」が64.5%、「常に不足しており慢性的な人手不足」が9.0%、「深刻な人手不足」が1.7%となった。全体の75.2%が人員に余裕のない状態にあると回答している。また、従業員の急な発熱や体調不良によるシフト調整で「ヒヤリとした経験」がある店舗は67.2%に達した。その影響として、「臨時休業をした」が19.7%、「営業時間を短縮した」が16.9%、「提供メニューやサービスを限定した」が16.6%となり、多くの店舗で通常営業に支障が生じていることが分かった。従業員1人の欠勤で営業停止の可能性も「もし明日、従業員1名が感染症などで出勤停止となった場合」を想定した質問では、「営業停止(臨時休業)せざるを得ない」が27.6%となった。さらに26.9%は残業などで対応すると回答しており、現場が綱渡りの人員体制で運営されている実態が浮き彫りとなった。回答者からは、「余裕のある人員配置の実現が難しい」「ワンオペの個人店なので自分が病気になればすべて止まる」といった声も寄せられている。約4割が保険に加入食中毒や感染症の集団発生に備えた対策として、「生産物賠償責任保険や休業補償をカバーする保険に加入している」と回答した店舗は40.3%だった。一方で、衛生管理や感染症対策にかける月額コストは、「5,000円未満」が46.9%、「0円」が27.2%となり、多くの店舗が大きなコストをかけずに対策を行っていることが分かった。BCP対策の課題も浮上感染症や食中毒対策、事業継続計画(BCP)については、人手不足によって十分な対策が取れないという課題も明らかになった。また、衛生管理マニュアルやチェックシートを導入していても、現場スタッフへ本質的な理解を浸透させることが難しいとの声も見られた。今回の調査結果から、飲食店では食中毒リスクへの意識は高いものの、人手不足が慢性化するなかで十分な危機管理体制を構築できていない実態が浮かび上がった。従業員の急な欠勤や衛生事故が経営に直結する状況が続いており、今後は予防策とともに事業継続に向けた備えの重要性が一層高まりそうだ。