株式会社帝国データバンク(本社所在地/東京都港区、代表取締役社長/後藤洋)は、全国の企業を対象に「雇用過不足」に関するアンケート調査を実施し、2026年7月時点の人手不足の状況をまとめた。調査によると、正社員の不足を感じている企業は51.3%となり、7月としては4年連続で5割を超えた。一方、非正社員の不足を感じている企業は28.8%となり、2025年4月以降、3割を下回る状況が続いている。業種別では、正社員の人手不足は「金融」が67.1%で最も高く、非正社員では「飲食店」が57.7%で最多となった。ただし、飲食店の非正社員不足は前年から4.1ポイント低下しており、改善傾向が続いている。正社員不足は51.3%、7月として4年連続で5割超2026年7月時点で、正社員の不足を感じている企業は51.3%となった。前年同月の50.8%から0.5ポイント上昇し、7月としては4年連続で半数を超えている。一方、非正社員の不足を感じている企業は28.8%だった。前年同月の28.7%から0.1ポイント上昇したものの、7月としては3年連続で3割を下回った。正社員と非正社員で人手不足の状況に差が生じており、特に正社員については高い不足感が継続している。今回の調査は、2026年7月17日から31日にかけてインターネットで実施された。全国2万2,350社を対象とし、1万518社から回答を得ている。正社員不足は「金融」が67.1%でトップ正社員の人手不足を業種別に見ると、「金融」が67.1%で最も高かった。前年同月から6.4ポイント上昇している。金融業界では、Web経由の問い合わせや新規加入件数の増加に加え、金利上昇を背景とした新たな事業機会も生まれている。M&Aや事業承継支援、企業価値担保権の活用など、金融機関に求められるサービスも広がっており、専門性を持つ人材の確保が課題となっている。次いで「建設」が66.0%、「運輸・倉庫」が65.6%となり、正社員不足が6割を超える業種は6業種にのぼった。建設では、資材価格や賃金の上昇に加えて作業員の確保が難しくなっている。運輸・倉庫でも慢性的なドライバー不足が続いており、人材不足が企業の受注や収益に影響を及ぼす状況が続いている。非正社員不足は「飲食店」が57.7%で最多非正社員の人手不足を業種別に見ると、「飲食店」が57.7%で最も高かった。ただし、前年同月の61.8%から4.1ポイント低下しており、改善傾向が見られる。飲食店の非正社員不足は、2026年4月以降4カ月連続で6割を下回っている。2番目に高かったのは「人材派遣・紹介」で56.8%となり、前年同月から6.5ポイント低下した。総合スーパーなどの「各種商品小売」も41.1%となり、前年から18.6ポイント低下している。一方、「メンテナンス・警備・検査」は56.8%で、前年から1.7ポイント上昇。「娯楽サービス」は54.1%、「繊維・繊維製品・服飾品小売」は46.6%となり、それぞれ前年から5ポイント以上上昇した。業種によって人手不足の改善と悪化が分かれる状況となっている。人手不足が受注機会の制約に人手不足は、単に採用が難しいという問題にとどまらず、企業の受注機会や売上にも影響を及ぼしている。2026年上半期に発生した「人手不足倒産」は227件となり、上半期として5年連続で前年を上回り、過去最多を更新した。業種別では建設業が65件で最も多く、サービス業が59件、運輸・通信業が38件と続いた。企業からは、案件自体は存在しているものの、人材不足や原材料価格の高騰によって受注できないという声も寄せられている。また、熟練人材の高齢化・引退も人手不足を深刻化させる要因となっている。技術や経験を持つ人材が減少する一方で、次世代を担う人材の不足や育成の遅れも課題となっている。飲食店は非正社員不足に改善の兆しも、人材確保は引き続き課題今回の調査では、飲食店における非正社員不足は前年から改善していることが明らかになった。一方で、57.7%という水準は依然として全業種の中で最も高く、飲食店にとって人材確保が重要な経営課題である状況に変わりはない。正社員では全体の51.3%が不足を感じており、業務の専門化や人材の高齢化が進むなか、採用だけでなく、既存スタッフの生産性向上や業務効率化、人材育成などを含めた総合的な人手不足対策が求められている。特に飲食業界では、非正社員の採用環境に改善が見られる一方、店舗運営を支える人材の確保や定着、生産性向上をどのように両立するかが、今後も重要なテーマとなりそうだ。