株式会社favy(本社/東京都新宿区、代表取締役社長/髙梨巧)は8月、同社のSaaSツールを利用する企業を対象に、企業ごとの業務やニーズに合わせて機能や管理画面、UIなどを開発する「favy 個社カスタム開発サービス」の提供を開始した。モバイルオーダーやサブスクリプションなどの既存SaaSをベースに、導入企業の現場にfavyのエンジニアやプロジェクトマネージャーが入り、課題の把握から開発、実装、検証までを行う。同社によると、海外の先進的なSaaS企業を中心に広がっている「FDE(Forward Deployed Engineer)」のアプローチを、飲食・商業施設領域に適用する国内初の取り組みだという。汎用SaaSとフルスクラッチの間を埋めるfavyのモバイルオーダーやサブスクは、全国3,500以上の拠点で導入されており、多店舗展開する飲食チェーンからフードホール、大規模な商業施設まで幅広い事業者が利用している。一方、導入企業の拡大に伴い、企業ごとのビジネスモデルや業務フローに合わせたカスタマイズへの要望も増えているという。具体的には、自社の会員基盤やPOS、基幹システムとの連携、ブランドの世界観に合わせた注文画面のUI・UX、本部やエリアマネージャー、店長など役割ごとに必要なデータを表示する専用ダッシュボード、商業施設におけるテナント横断での売上・稼働状況の管理などが挙げられている。こうしたニーズに対して、汎用SaaSの標準機能だけでは対応しにくい一方、ゼロからシステムを構築するフルスクラッチ開発では、コストや開発期間が大きくなる。favyは、この「標準機能では足りないが、フルスクラッチでは重い」というギャップを埋める手段として、今回のサービスを開始した。現場に入り、最短2週間のサイクルで開発「FDE(Forward Deployed Engineer)」は、エンジニアが顧客企業の現場に入り、顧客固有の課題に合わせて既存プロダクトを適合させていく開発手法。「favy 個社カスタム開発サービス」では、favyのエンジニアやプロジェクトマネージャーが店舗や本部に直接入り、実際の業務を観察・ヒアリング。そのうえで、既存のモバイルオーダーやサブスクSaaSをベースに、企業ごとの専用機能を追加開発する。要件定義書を受け取って開発するのではなく、現場で課題を定義し、開発から実装・検証までを最短2週間のサイクルで進める点が特徴だとしている。AIを活用した分析画面などを開発具体的な開発事例として、アナリティクス画面のカスタマイズがある。従来の管理画面では取引履歴や売上集計などの基本情報が中心で、現場で活用するためには担当者がデータを加工して分析する必要があった。そこで、商品別、時間帯別、拠点別など、企業ごとに重視する切り口で分析できる専用画面を構築した。さらに、現場データをもとに生成AIが店舗運営の改善案を提示するためのプロンプト出力機能も実装。担当者による二次的なデータ加工を減らし、現場スタッフがデータを確認して改善につなげられる環境を整えた。顧客向け画面についてもカスタマイズを行っている。会員専用ページを静的なWebページで運用していた企業に対し、favyの会員データベースと連携し、会員ステータスに応じた専用ページを自動生成する機能を開発。企業ごとの専用CMSも提供し、自社で更新できる運用体制を構築した。現状把握から継続改善まで伴走サービスでは、現場への同行や本部へのヒアリングによって業務フローや課題を把握。その後、実際に動くプロトタイプを作成し、現場で操作感や効果を検証する。検証後は既存のSaaS基盤上に本番実装し、導入後も専任チームが運用データを確認しながら継続的に改善する。また、個社向けに開発した機能のうち、他社にも活用できる汎用性の高いものについては、favyのSaaSの標準機能として順次還元する方針だという。サービスの提供開始は2026年8月。料金は初期開発費が要件に応じた個別見積もりとなり、別途月額運用費が設定される。対象は「favyモバイルオーダー」「favyサブスク」などのfavyのSaaSを利用中、または新規導入を検討している企業。favyは今回のサービスを通じて、飲食チェーンにおける複数ブランド・業態のオペレーション最適化、商業施設やフードホールの顧客体験向上、サブスクリプションや会員制モデルの事業化、既存の基幹システムや会員基盤との連携などを支援していくとしている。