飲食店の会員証アプリ開発・運用支援サービス「レストラン★スター」を運営するアクティブ・メディア株式会社は、2025年上半期のメッセージ配信による来店率の統計調査を実施した。その結果、飲食店の販促メッセージ配信後の来店率は平均3.88%であることが明らかになった。中でも焼肉業態では17.06%と高い来店率を記録した。販促メッセージの内容や業態によって、来店効果には大きな差があることが示された。調査背景近年、多くの飲食店がリピーター獲得施策として「販促メッセージ配信」を導入している。中でも「誕生日メッセージ」は、特別感のある訴求が可能なため、多くの店舗で採用されている施策の一つとなっている。今回の調査で、飲食店アプリを通じて2025年上半期に配信された誕生日メッセージ74万件以上の販促効果(来店率)を分析した。業態別の傾向を明らかにすることで、効果的な販促設計の参考とすることを目的としている。調査概要対象メッセージ:誕生日おめでとうメッセージ(配信後2週間以内に来店)調査対象期間 :2025年1月〜6月調査件数 :747,119通対象業態 :居酒屋、焼肉店、レストラン調査対象 :アプリを導入している飲食チェーン店「レストランスターアプリ(アクティブ・メディア株式会社)調べ」業種別データ:来店率は最大17%下記は、各業態の販促メッセージ配信数・来店数・来店率をまとめたものである。全体的な来店率は3.88%となり、業種別では焼肉店が最も来店率が高く17.06%となった。レストラン業態における来店率は3.06%と、他業態に比べてやや低めの数値となった。これは、レストラン業態がカジュアルな日常利用から特別な会食まで幅広いシーンで利用されるため、誕生日という「特別な日」に対する訴求力が相対的に弱くなることが一因と考えられる。また、レストラン業態は全体の約89%にあたる66万件以上のメッセージ配信というボリュームを占めているため、全体平均(3.88%)にも強い影響を与えている。居酒屋や焼肉店に比べて来店率が低いため、全体の平均来店率が抑えられる結果となった。なぜ、焼肉店は来店率が高いのか?焼肉店は「特別な日」「ご褒美利用」「家族利用」などのシーンで選ばれやすく、誕生日という“理由づけ”との相性が良いと考えられる。また、客単価が比較的高いため、クーポンなどのインセンティブの影響も大きく出やすいのが特徴となっている。焼肉業態と誕生日販促の相性の良さ調査結果でも明らかなように、焼肉業態は誕生日販促において高い来店率(17.06%)を記録している。これは焼肉店という業態自体が「特別感」や「イベント利用」と親和性が高いためと考えられる。焼肉店で誕生日販促が成功しやすい理由誕生日や記念日の外食先として選ばれやすい焼肉は「特別な会食に強い」業態。家族やカップルでの記念日ディナーとして好まれる傾向が強く、誕生日・結婚記念日といった“ハレの日”の来店動機になりやすい。記念日販促の反響率が高い顧客登録された記念日に合わせてクーポンを配信すると、焼肉業態では他業種の2〜3倍の反響(来店)が見込むことができる。以下は、焼肉店と居酒屋における記念日別の来店率を比較したデータである。居酒屋に比べて2.8倍の来店率を記録しており、焼肉店における記念日販促の有効性は非常に高いといえる。高単価ゆえに特典の反応が良い焼肉は客単価が高いため、ポイント付与や割引などキャッシュバック系の特典に対する反応が良く、販促効果が顕著に現れやすい傾向がある。