『フードパーパス』編集長の千葉哲幸が「いまどきの」繁盛店や繁盛現象をたどって、それをもたらした背景とこれからの展望について綴る。「居酒屋それゆけ!鶏ヤロー!」が描く「攻める経営」のための設計図 その②――今期売上176.%を見据える展望とは第2回(この連載は計3回)鶏ヤローの前期・第14期(2024年6月~25年5月)の「概要」と「振り返り」については、前回(11月6日)述べた。第13期に対して、売上高130.3%、店舗数122.3%、従業員数142.0%と大幅に伸びている。テーマとされた「新規出店」「新規事業」も果たした。ここから鶏ヤローは、「成長」に向けて 大きく舵を取っている。ここで今期(第15期)の「戦略方針」を記して、同社はどのような方向に進もうとしているかを紹介しよう。第15期は売上高176.0%、店舗数151.2%が目標第14期の店舗数は82店舗(「鶏ヤロー!」直営37店舗、FC39店舗、運営委託6店舗)であったが、M&Aを行った「まる助」が加わって、「まる助」も店舗展開をしていく。そこで、第15期は、「鶏ヤロー!」(直営50店舗、FC45店舗、業務委託6店舗)、「まる助」(直営10店舗、FC12店舗、業務委託2店舗)の2業態で、120店舗超える体制を目指している。第14期に対して売上高は176.0%、店舗数は151.2%となる。第14期に続いて大幅な増加である。こうして、売上高は「50億円へ挑戦」と述べている。大幅が業績アップを達成するための「やる事リスト」これらを達成するために「やる事リスト」を作成した。それは、「有給休もうよ部隊」「オールスター営業」「M&Aヤロー」「店長になりたい人=出店数」「全社員分の家系図をつくる」「ゲロチャリティ活動」「OJTを増やす‼」「チャットGTP GPT課金を福利厚生に」の8項目。これらにいくつかについて、代表の和田氏の見解を紹介する。「やる事リスト」に則って、職場環境を整える・「有給休もうよ部隊」従業員に対して「有給休もうよ」と指示をする仕組みや、その舞台をつくる。これによって従業員が休んでも店舗が滞りなく運営できる職場環境になっているということを目指す。この仕組みが出来ていないと、離職率が高まり、入社しにくい環境になる。この活動を推進することで、働きやすい環境を充実させていく。・「オールスター営業」優秀であることで知られたアルバイトだけでお店を営業すること。ここに、ほかのアルバイトにお客として無料で店を体験してもらうことで、よりよいオペレーションのつくり方というものを学んでもらう。「この社員版もあっていいかも」と考えている。アルバイトの精鋭を結集して、「優れたオペレーション」について考える・「店長になりたい人=出店数」このような情熱を持った人が増えることが会社の成長につながると確信している。これは「OJTを増やす‼」にもつながっていて、ここでの気づきの体験を行うことによって、店のQSCレベルを向上させて、店長になりたい人を増やしていこうとしている。・「全社員分の家系図をつくる」「なぜ家系図をつくるのか」と疑問が湧くと思われるが、和田氏の考え方はこうだ。この活動を行っていることを、社員が家族に伝えるタイミングがあると、家族は「お前の会社はいい会社だ」と言ってくれるはず。和田氏は、これまで「学校のような会社をつくりたい」と思っていたが、これからは「授業参観型経営」であるべきだと思っている、という。つまり「ファミリー・サティスファクション」ということ。社員の家族や親しい人が、鶏ヤローの内容に満足してもらうことが、良い環境づくりにつながっていく、と考えている。・「ゲロチャリティ活動」同社では「ゲロを床にはいたら罰金」という制度を設けている。現場の話では、これが結構な抑止力になっているとのこと。この溜まったお金をチャリティー募金や、地域社会に還元するために使用する。・「OJTを増やす‼」現場で、顧客が満足感を抱く瞬間を増やすために、社内でOJTを推進する部隊を設けたり、外部の指導者を招くなど、これらを実践する機会を増やす。これらを実践するために、今期で社員を60人採用したいと述べている。このように大量の人材採用を表明しているのは、ひとえに「社内の体制が整った」というところに裏付けられている。和田氏は、このよう表現で、いまとこれからの鶏ヤローについてこのように語る。「湯船の栓はしっかりと閉じた。これからは、湯船にお湯を足すだけ」と。鶏ヤローが、これからどのような成長を見せるのか注目される。(次回、第3回〈最終回〉は、11月20日公開)