株式会社帝国データバンク(本社/東京都港区、代表取締役社長/後藤信夫)は、全国のラーメン店市場に関する調査結果を発表した。2025年度の市場規模は前年比で拡大し、過去最高となる8,855億円に達する見込みで、早ければ2027年度にも1兆円市場へ到達する可能性があるとしている。一方で、原材料費や人件費、光熱費の高騰を背景に利益は大幅に減少しており、市場拡大の裏で経営環境の厳しさも鮮明になっている。市場は拡大、店舗数も過去最多を更新調査によると、ラーメン店市場は2015年度の5,418億円から約63%拡大し、2025年度は8,855億円と過去最高を更新する見通しとなった。大手チェーンを中心に新規出店も続いており、売上上位50社の店舗数は6,305店舗と初めて6,300店を突破。観光地や駅前を中心に出店が進む一方、郊外ロードサイドでは競争激化や店舗運営コストの上昇を背景に、出店判断を慎重に進める動きも見られている。コスト高で利益は半減 DXによる効率化が加速市場が拡大する一方、2025年度の純利益合計は171億円と前年度からほぼ半減した。豚肉や麺、海苔、メンマなど食材価格の高騰に加え、人件費や光熱費の上昇が利益を圧迫。ラーメン店各社では、限定メニューやトッピング強化による値上げ、不採算店舗の整理に加え、セルフオーダーや券売機、セントラルキッチンの導入など、省人化・DX投資を進める動きが広がっている。倒産は2年連続で減少も、小規模店は依然厳しい状況2025年度のラーメン店の倒産件数は55件となり、過去最多だった2023年度の75件から2年連続で減少した。ただし、倒産企業の約8割は資本金1,000万円未満の小規模事業者で、コスト増を価格へ十分転嫁できず経営悪化に至るケースが目立った。個人店の廃業を含めれば、市場から退出する店舗はさらに多いとみられている。「1杯1,000円」の時代から価格戦略は三極化へ同調査では、ラーメン価格の「三極化」が進んでいる点にも注目している。500円前後の低価格帯、1,000円前後の標準価格帯、1,500円以上のプレミアム価格帯へと市場が分かれつつあり、従来の「1,000円前後」の価格帯は競争が激化しているという。今後は、高付加価値化によるプレミアム戦略を選ぶか、省力化やDXを活用して低価格帯で収益性を高めるか、各店舗の経営戦略がこれまで以上に重要になると分析している。