株式会社帝国データバンク(本社/東京都港区、代表者/後藤信夫)は、2万3,859社(有効回答企業1万620社、回答率44.5%)を対象とした2026年1月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。調査結果のポイント2026年1月の景気DIは前月比0.6ポイント減の43.8となり、8カ月ぶりに悪化した。国内景気は、年末商戦や旅行需要の反動が表れ、改善基調のなかでいったん足踏みとなった。今後の国内景気は、コスト増と金利上昇が懸念されるなか、先行き不透明感が強く横ばい傾向で推移すると見込まれる。10業界中7業界が悪化、3業界が改善した。『サービス』『小売』など個人消費関連で落ち込みが目立った。規模別では、「大企業」が横ばいの一方で、「中小企業」「小規模企業」は悪化した。地域別では、『東北』『近畿』など9地域が悪化、『北関東』のみ改善した。寒波・大雪などが下押し要因となった。 [今月のトピックス] 観光DIは42.8と前月から悪化した。内訳をみると「飲食サービス」「宿泊サービス」の落ち込みが目立つ。2026年1月の動向:足踏み 2026年1月の景気DIは前月比0.6ポイント減の43.8となり、8カ月ぶりに悪化した。国内景気は、年末商戦や旅行需要の反動が表れ、改善基調のなかでいったん足踏みとなった。1月は、年末商戦の反動減や大雪での外出抑制などが響き、耐久財など個人消費関連が落ち込んだ。また、宿泊業や観光バス・レンタカーなど観光産業の厳しさが目立った。物流費や人手不足によるコスト増も悪材料だったほか、設備投資意欲もやや低下した。他方、株価上昇など金融市場が堅調だったほか、好調なAI投資やソフト開発など、省力化・デジタル化の動きは底堅く推移した。今後の見通し:横ばい今後は、物価高対策の実施や税制改正による可処分所得の改善など、家計の実質購買力の回復が持続的な成長のカギとなる。冬場の電気・ガス料金支援は家計や中小事業者の負担を和らげる。投資減税・研究開発支援は設備投資を後押し。一方で、総選挙後の経済政策の実行や、長期金利の上昇、日中関係を含む国際情勢の不安定化は懸念材料である。今後は、コスト増と金利上昇が懸念されるなか、先行き不透明感が強く横ばい傾向で推移すると見込まれる。業界別:10業界中7業界で悪化、個人消費関連で落ち込み目立つ10業界中7業界が悪化、3業界が改善した。『サービス』『小売』など個人消費関連で落ち込みが目立った。加えて、食料品などをはじめ仕入コストの高止まりも企業収益を下押しし、大雪の影響などで人出が抑制されたことも響いた。さらに、幅広い業種で景況感が悪化し、物流関係も停滞した。他方、AIやソフトウェア関連の設備投資などは引き続き堅調に推移した。『サービス』(48.4)前月比1.0ポイント減。5カ月ぶりに悪化。「飲食店」(同4.7ポイント減)は、原材料費の高騰や客単価の減少も響き、落ち込みが目立った。悪天候によるキャンセル増や日中関係の影響から「旅館・ホテル」(同3.8ポイント減)は6カ月ぶりに40台に下落。人材確保難や採用コストの上昇から「人材派遣・紹介」(同2.1ポイント減)は5カ月ぶりに悪化した。他方、AI投資が堅調な「情報サービス」(同横ばい)は50台を維持した。『運輸・倉庫』(43.8)同2.4ポイント減。4カ月ぶりに悪化。川上から川下業種まで幅広く景況感が悪化するなか、「年末年始を過ぎると一気に荷物の量が減った」(一般貨物自動車運送)といった声も複数聞かれた。また、人件費や燃料費の高止まりなども負担となっている。さらに、旅行需要も低調に推移した。他方、寒い日が続きタクシー需要は上向いた。『小売』(39.3)同0.8ポイント減、2カ月ぶりに悪化。「原材料価格の高騰が収益を押し下げている」(料理品小売)などの声があがった「飲食料品小売」(同0.8ポイント減)は、3カ月ぶりに悪化した。「医薬品・日用雑貨品小売」(同1.1ポイント減)も値上げが続く日用品の買い控えなどで3カ月ぶりに下向いた。また、消費の一巡から「家具類小売」(同2.4ポイント減)や「自動車・同部品小売」(同2.0ポイント減)などの耐久財関連も下落した。他方、悪天候で外出機会が抑制され通販などは好調だった。『製造』(40.8)同0.1ポイント増。2カ月連続で改善。「輸送用機械・器具製造」(同1.6ポイント増)は、自動車やトラックの生産が堅調といった声が寄せられ2カ月ぶりに上向いた。また、シールブームが継続するなか「パルプ・紙・紙加工品製造」(同0.6ポイント増)は、2カ月連続で改善した。他方、「飲食料品・飼料製造」(同1.6ポイント減)は、仕入コストの高止まりが響き4カ月ぶりに悪化した。加えて、春夏ものの発注が少ないといった声が聞かれる「繊維・繊維製品・服飾品製造」(同0.1ポイント減)は2カ月連続で下向いた。規模別:「大企業」が横ばいの一方で、「中小企業」「小規模企業」は悪化「大企業」は前月から横ばいだった一方で、「中小企業」「小規模企業」は悪化した。年末年始商戦後の消費の一巡が広く影響するなか、「大企業」では、一部業種における堅調な海外向け需要がみられる『製造』が下支え要因となった。「大企業」(48.7)前月比横ばい。『製造』は「米国向けは比較的安定」といったコメントがあがった「機械製造」など、12業種中9業種が上向いた。一方で、政局の変化による予算成立の遅れを懸念する声が聞かれた『建設』は悪化した。「中小企業」(42.9)同0.7ポイント減。4カ月ぶりに悪化。仕入単価の高止まりなどで落ち込んだ「飲食店」を含む『サービス』の不調が下押し要因となった。年末年始商戦後の消費の一巡で荷動きが減少した『運輸・倉庫』も悪化した。「小規模企業」(42.0)同0.8ポイント減。2カ月ぶりに悪化。『小売』は各地での悪天候による人出の減少や節約志向の高まりを背景に9業種中7業種が落ち込んだ。「専門サービス」など『サービス』の悪化も景気を押し下げた。地域別:9地域が悪化、寒波・大雪や年末年始後の需要減が下押し要因10地域中『東北』『近畿』など9地域が悪化、『北関東』のみ改善した。都道府県別では、悪化が33、改善が11、横ばいが3だった。寒波・大雪や年末年始後の需要の減少が下押し要因となった。『東北』(38.8)前月比1.3ポイント減。2カ月ぶりに悪化し、再び40台を下回った。大雪による物流・交通の停滞が、「飲食店」を含む『サービス』など各業界に影響を及ぼした。消費の一巡で不調の『運輸・倉庫』も、下押し要因となった。『近畿』(42.6)同1.0ポイント減。2カ月ぶりに悪化。「中国人団体客のキャンセルが相次いでいる」との声が聞かれた「旅館・ホテル」など『サービス』の不調が景況感を押し下げた。日本海側では悪天候による来店客数の減少も悪材料となった。『北関東』(43.1)同0.4ポイント増。5カ月連続で改善。前年同月からは2.0ポイント上昇した。「半導体装置向け受注が増えてきている」といったコメントがあがった「電気機械製造」を含む『製造』が25カ月ぶりに40台を回復し、けん引役となった。今月のトピックス:観光産業の景況感観光DIは42.8と前月から2.0ポイント減の悪化となった。内訳をみると「飲食サービス」「宿泊サービス」の落ち込みが目立つ大雪など天候不順の影響や中国からの訪日客減少を危惧する声が複数寄せられた