人手不足、コスト上昇、そして競争の激化――飲食業界が抱えるこれらの課題に対し、清掃の視点から新たなアプローチを提案するのが、滋賀県大津市に本社を構える清掃ソリューション企業「リ・プロダクツ株式会社」だ。2025年3月に開催されたフードプロフェッショナルカンファレンスVol.2では、同社代表の髙奥要輔氏が「DXで実現する飲食店の新しい清掃スタイル」と題して講演を行い、業界に向けて新しい清掃の在り方を提案した。清掃品質が店舗の印象を左右するリ・プロダクツが飲食店利用者に対して実施した調査によれば、「清潔さ」は店舗選びの重要な要素であり、再来店の決め手にもなるという。その中でも、特に“フロアの印象”が店舗全体の清潔感を大きく左右する。髙奥氏は、「フロアの汚れは目立ちにくくとも、お客様が接する面積が広いため、歩行中の滑りやぬめりなどによって無意識に印象が形成されてしまう」と語る。「予防メンテナンス」の考え方飲食店のフロア汚れは従業員や顧客、さらには配膳ロボットの動線によって拡散されるため、従来型の“汚れてから掃除する”方式では追いつかないと髙奥氏は指摘する。その解決策として同社が提唱するのが「予防メンテナンス」という発想だ。具体的には、以下の3つのポイントに集約される。汚れの拡散を防ぐ毎日の清掃床のコーティング導入事例実際に、全国197店舗を展開する「和食さと」では清掃ロボットを全店導入し、清掃工数の削減と店舗美化の両立に成功。また「焼肉五苑」では、導入により掃除コストを80%削減し、業務全体の質も向上したとの声が寄せられている。清掃は“縁の下の力持ち”ではあるが、店舗の印象や業務効率に直結する重要なファクターだ。人手不足が常態化する中で、リ・プロダクツが提案する清掃と予防メンテナンスの概念は、飲食店にとって今後ますます欠かせない選択肢となるだろう。本講演の動画や資料はこちらhttps://www.re-products.co.jp/download/food_professional_coference.html