『フードパーパス』編集長の千葉哲幸が「いまどきの」繁盛店や繁盛現象をたどって、それをもたらした背景とこれからの展望について語る。コロナ禍を経験して、お店のリブランディングを行い京都で地場を築く「アホウプロジェクト」の展望(2回連載 第2回)2024年11月26日に筆者は「アホウプロジェクト」(本社/京都市上京区、代表/泉川武士、以下「アホウどり」)の代表、泉川武士氏に取材をして以来、泉川氏のことを気に留めていた。そこで筆者は、泉川氏のFacebookを見続けていた。取材したときの「大学の近くで、学生を支援する」というコンセプトが印象に残って、その構想がどのように広がっていくのか興味を抱いていた。すると、昨年の暮れ近くから、動きが見られた。それはまず、「スポーツジムの売却」。続いて12月に「餃子酒場 アホウどり」を同志社大学前にオープンした。以前、同社がスポーツジムを運営するようになったのは「コロナ対策」と伺っていたこともあり、この売却は、コロナを超えたことから「本業回帰」を選択したものであろう。そして、「大学の近くで、学生を支援する」というコンセプトを崩していないと感じとった。このお店の所在を地図で確認したところ、まさに同志社大学の正門近く。「アホウどりの本領発揮」である。そこで、このような「アホウどり」の動向を取材したいと考え、泉川氏にメッセンジャーで取材のお願いを申し上げた。「京都でやり切っていないことがたくさんある」泉川氏によると、昨年の2025年はまさに「本業回帰」に邁進した一年であったという。「スポーツジム」を売却したことは、その原資を豊かにするためであり、これをもって大阪郊外にあるマンモス大学の近くに物件を確保して、ここで「大学の近くで、学生を支援する」プロジェクトを広げて行く構想を抱いていた。しかしながら、一抹の不安がよぎった。「大阪の空気は、京都とは違う」と。京都市内は、人口比に対して大学の数が多いことで知られている。そこで京都市内の住民は、学生を受け入れる気風があって、「大学の近くで、学生を支援する」という「アホウどり」のコンセプトは、地元住民になじんでいた。しかしながら、この大阪の物件の周りの雰囲気は違っていた。「大学の近く」であっても、京都とは違うという認識を強くしていった。社内では、大阪進出に向けて、店長も決まり、「さあ、大阪の大学の近くで、頑張るぞ」という気運が高まっていたが、泉川氏は物件契約の寸前で「ごめんなさい」と、この計画をリセットした。泉川氏はこう語る。「それは、京都でやり切っていないことがたくさんある、と感じたのですね。京都市内の住民は、みな地域社会になじんでいます。大阪で物件を探している最中に、改めて京都の素晴らしさに気付きました」このタイミングで同志社大学前の物件が決まった。場所は、同志社大学正門前から徒歩で3分程度、3階建ての施設の2階、約30坪である。同志社大学のお店は「餃子」をメインに打ち出して、これらの居酒屋展開の可能性を開拓した「アホウどり」の既存3店舗のメインのメニューは「焼鳥」であるが、この施設には先に焼鳥居酒屋が入居していたために、売り物を変える必要に迫られた。 そこで新たなメインメニューとして「餃子」を掲げた。店名は「学生が週2で通える餃子酒場 アホウどり」である。「餃子を手掛けて見て、餃子は『アホウどり』の顧客の学生さんと親和性があることに気付きました。餃子焼き機の性能が高く、クオリティの高い餃子が提供できて、トッピングでバラエティが豊富になります」 餃子は新しい挑戦であったが、商売の可能性に手応えを得ていて、これからの店舗展開につなげていきたい、としている。 「失敗上等、今期も攻めます!」さる4月5日。泉川氏はFacebookを更新して、同社の入社式の様子を公開するとともに、新年度の決意表明を公開した。以下は、その全文である。コロナで4店舗から2店舗に。当時のメンバーは、まいちゃん、ペダル、ET、まいまい、ほんで僕。たった5人でテーブルを囲んで、「このままじゃ終わらせない」と話していた。あの景色は、今でも忘れません。あそこからコツコツと、手を変え品を変え、良くなる千本ノックをひたすら重ねてやり続けてきました。 気づけば、お店が5店舗に増えた。そして今年、ありがたいことに、新たに5人が入社。高卒で飛び込んできた仲間。リファラルでアルバイトから社員になった2人。そして、元気すぎるネパールガールが2人。気づけば、こんなに仲間が増えていました。やばい、やばすぎる。正直売上足りません!笑。だからこそ今期は、「1店舗ごとの利益最大化」に、本気で向き合います。今僕が1番欲しいものは、銭です。このモードは、経営者としてお恥ずかしい話ですが。人生初かも。本気で利益に向き合います。 会社は、人生を豊かにする為のプラットフォーム。集まったメンバーで、三つを狩りにいく。①お金②自由な時間③やりがいどれか1つじゃなくて、全部取りにいく。「二兎追うものは一兎も得ず」じゃなくて、本気でやれば三兎でも獲れる。そんなチームでありたい。 入社式で僕の大切な言葉を丁寧に扱い、自分の言葉で想いを伝えている先輩達の姿を見て感動しました。理念って、伝わるんだ。このチームを、もっと勝たせたい。まだまだ、俺たちこんなもんじゃない。失敗上等、今期も攻めます。宜しくお願い致します!入社式を終えた後の記念撮影。国際色豊かに、多様な人材で構成されている。